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2017年8月20日 (日)

キヤノネットの現像上がりました

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キヤノネットのフィルム現像が上がりましたのでご報告いたします。

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距離計のハーフミラーが劣化して像の分離が甘いせいでかなりピンボケを出しました。これはピントが割と合っていた作例。F1.9開放、1/30秒、ISO400。

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近接撮影でなければ何も問題ありません。ネットでの情報でもありましたが、発色はかなりあっさりしていて、ミノルタハイマチック7S(ハイマチック7Sのフィルム上がって来ました! » 参照)に比べたら描写はかなり落ちます。キヤノンのレンズはシングルコートですが、ミノルタは「緑のロッコールレンズ」と宣伝した2層膜アクロマチックコーティングでカラーに強いと当時から言われていましたから。それに時期的にも5年分の技術格差がある。

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それにしても、「でかい!」の一言。これ、ぜったい「コンパクトカメラ」じゃないです。レンズ交換式のコニカヘキサーRFよりでかいじゃないですか。

この当時のレンズシャッターカメラは「レンズ交換以外の性能はライカに準ずる事!」だけが目標だったので、またカメラの所有がステータスで、「大きい事は良い事だ(By森永エールチョコレートhttps://www.youtube.com/watch?v=Aubpbn0nXvA)」「隣の車が小さく見えま~す(日産サニーhttps://www.youtube.com/watch?v=_F07XMAwFGw)」「小さなカメラ=おもちゃ」と片付けられる時代(それでオリンパスペンも企画を通すとき苦労したと米谷美久氏が書いていた)だったので、これでよかったんでしょう。

キヤノネット開発の経緯はこの本に詳しい↓。

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「カメラレビュークラシックカメラ専科31キヤノンハンドブック」(1994年朝日ソノラマ刊)

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これがキヤノネットの最初の試作機。EEどころか露出計すら入ってないスパルタンな仕様です。ライバルはコニカⅢあたりか?キヤノネット以前のキヤノンのカメラはどれも数ヶ月間飲まず食わずで貯金しないととても買えない高級機ばかりで(参考資料↓)

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(キヤノネット以前のキヤノンのカメラで最安値だったキヤノンP。1959年発売。これでも50ミリF1.4付で5万2千700円もした。詳細はhttp://masupi.com/phase24.htm

今の時代こそ、貧乏人の私でも交換レンズの山に埋もれて身動きが取れないような生活していますが、昭和30年代はレンズ交換なんて知識の上だけの世界で庶民には夢のまた夢の時代でした(参照:http://www.kitamura.jp/photo/shiki/shiki-36/yomoyama/yomo3.html)。だったら、所詮買える訳のないレンズ交換の機能は省いてその分安くしたほうが良いじゃないか。
せめて大卒初任給で買えるカメラを作りたい。しかし、性能で妥協はしない。レンズ交換以外のスペックは最高を目指そう!というのが開発目標のカメラです。「高級機の性能を普及価格で!」が目標なので、ここに「小型化」という文字は無かった訳です。ちなみにキヤノネットの18800円(月賦でない現金払いで)というお値段は上述のキヤノンPで言えば一番安い標準レンズ50ミリF2.8の1万6千500円しか買えない値段です。標準レンズ1本分でカメラが買えるなら、いずれレンズ交換式カメラが欲しくなってもキヤノネットは標準レンズ専用のサブカメラとして使い続けられるし、すでにキヤノンPや7を持っているヘビーユーザーでさえも「露出計代わりになるから」と購入を考えたでしょう。「交換レンズとして発売するよりもボディ付で売ったほうが安い」という商法は他にオリンパスワイドやコーワSWでも試されています。
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ローライ35(1966年)以降は国産カメラも反省から少しは小型化に気をつけるようになります。下はヤシカエレクトロ35GX(1975年)。

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初めてこのカメラの存在を知ったのは中学生の頃ですでにキヤノンオートボーイ2の時代でしたが「え?ボディ上に巻き上げレバーも巻き戻しクランクも無い?これ、自動巻上げなの?」と驚いたけど、何の事は無い。見ての通りボディ底に巻き上げレバーと巻き戻しクランクが配されています。つまりこのカメラは普通のカメラをひっくり返した構造をしているんですね。当然フィルムも普通のカメラの逆に入れます(これは後年リコーR1やミノルタTC-1も真似している)。なんでこんな設計にしたかというと、ファンダー周りに露出計の回路を入れるため巻上げレバーを下にずらしたかったからだそうだけど、わたしは当時、ファインダー窓を左端ギリギリまでずらしたかっんだと思っていました。幻のレンズ交換式レンジファインダー試作機「コニカFR」http://masupi.com/chapter28.htmを設計した山田豊氏も「カメラレビュー、ライカブック2001」でファインダーをボディ端ギリギリまでずらしたかったので巻き戻しクランクをボディ底部に配したと実際に語っていました。

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巻き戻しクランクを下に配することや自動巻き戻しで巻き戻しクランクそのものを廃止することでファインダー窓をボディ左側ぎりぎりにずらした機種としては後年のツァイス・イコン(2005年)やコニカヘキサーRF(1999年)などは初代キヤノネットへのオマージュだと思っています。ファインダーが左端にあると、距離計の有効基線長が稼げるという理由だけでなく、カメラ構えていて鼻がボディに当たらないので快適なんですよ。ただ、やはり底部巻上げは一般的でなかったのでその後のキヤノネットシリーズでは普通の配置に戻ってしまいましたね。

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レンズシャッターなのでフトロボとの相性も良好。フラッシュの瞬間がファインダー内で確認できるのでこういう撮影では一眼レフより絶対使いやすいです。F8、1/15秒、ISO400。
今使ってもけっこう使えますよ。でもレンズがカビて描写がもわ~っとしているから本気で使うにはやっぱりオーバーホールですね。

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