私の宇宙SF元年。1978年
実家の父の遺品整理をしていて、割ときれいな本は職場に寄贈したり私が保存しています。
さて、今回のテーマは「宇宙」!なぜか、1978年ごろに宇宙SFの大ブームがあり、同じような本が大量に物置から出てきました↓。
1978年と言うと私が小学校に入学した年ですが、当時の私もテレビアニメやドラマや映画が宇宙SFてんこもりだったのを夢中で見ていた覚えがあります。1978年のSFアニメ、映画といえば「未来少年コナン」「スターウォーズ(エピソード4)」「未知との遭遇」「さらば宇宙戦艦ヤマト」「キャプテンハーロック」とそうそうたる顔ぶれで、映画「2001年宇宙の旅」も10年ぶりにリバイバル上映されてまるで新作のように受け入れられました。この宇宙SFブームは翌年の「銀河鉄道999」と「機動戦士ガンダム」でピークになった覚えがあります。当時は松本零士さんブームでしたね。実際中央のムックは表紙が松本零士さん画で、中身も零士さんマンセー本になっています。
40年も前の本なのに、未だに宇宙戦艦ヤマトもガッチャマンもリメイク作品が作られ続けているという所に、当時のこれらの作品の完成度の高さが伺えますよね。
まさか当時はスターウォーズがこんな40年にも渡る一大叙事詩になるとは思わなかった。キャリー・フィッシャーさん亡くなりましたね。ルークやハン・ソロがおじいちゃんになっても未だに出演しているのもすごいけど。
何で当時こんなに宇宙SFがブームになったかというと、1978年に東京「船の科学館」https://funenokagakukan.or.jp/で開かれた「宇宙博」の影響だったと思う。あまりの超人気に1979年にまで会期が延長されました。
SFだけではない現実の宇宙開発の記事に目を向けると、宇宙開発の速度って、亀のように遅いんだなぁと実感。1978年の時点ですでにハッブル宇宙望遠鏡http://spaceinfo.jaxa.jp/ja/hubble_space_telescope.htmlの構想図が載ってます(当時はまだハッブルという名前はついていない)。
野尻抱介さんの「ロケットガール」でも描かれているように、いまじゃあ使い捨てロケットの方が安全で安上がりという事になっていますが、この当時のスペースシャトルへの期待はハンパなもんじゃなく、打ち上げられる前からプラモデルが発売されていました。
史実を知っている身としては読むのが辛い記事も・・・・日系人初の宇宙飛行士誕生!このエリソン・オニヅカ氏は1986年のチャレンジャー号事故で殉職されました。黙祷。
「夢のようなNASAの未来計画」はい、ガンダム世界の根幹となる「スペースコロニー」です。スペースコロニーというガジェットが知れ渡るようになったのもこの「宇宙博」がきっかけでしょう。これが翌年の「ガンダム」につながるわけです。ウィキペディアにも書いていた「ガンダムのスタッフが1978年、三省堂で買った本に載っていたスペースコロニーを参考にした」というのはきっとこの本の事ではないでしょうか?時期的にも一致する。一方の松本零士作品では不思議とスペースコロニーって出てこない。ヤマトにも出てこないし銀河鉄道999ではスペースコロニー計画は過去に有ったけど住民全員が死亡してしまい計画は放棄されたというせっていになっていた。このあたり富野さんと松本さんのスペースコロニーに対する考えの違いが伺えて面白いです。
まだアポロ計画の興奮冷めやらぬ時期だったので生々しい写真がいっぱい。「アポロ計画は捏造だった!」なんて本気で信じている人はぜひこの写真見てください。
子供の頃大好きだった「SF小説に登場する宇宙生物」この頃は「ウルトラマン」や「ヤマト」の影響で、すでに地球には宇宙人が来て住んでいると思ってました(w)。今改めて読んだら筆者は「バビロニアウェーブ」の堀晃さんでした。
まだ作家デビュー前なので「SF評論家」という肩書きです。
私が実際にこの記事で紹介されたSF小説を手に取るのは20年も後の事です(ダメじゃん!)。クァールは元ネタの「宇宙船ビーグル号の冒険(A・E・ヴァン・ボクト著)」よりもアニメの「ダーティペア」http://www.sunrise-inc.co.jp/work/detail.php?cid=102の方が日本では有名になっちゃいましたね。
アイザック・アシモフの短編に出てくる珪素系生物「シリコニー」これなんかは現在のシリコンチップの出現を半世紀前に予言していたと思えます。
ソラリスの海。これ旧ソ連とハリウッドで2回映画化されていますがソ連版の方が原作に忠実です。これも大人になってから読みましたが面白かった。
しかし、現実の宇宙開発もそうだけどフィクションの世界のSFアニメやSF小説がこの本から40年たっても未だにスタンダードが変わってない(つまりこれ以上の作品が生まれていない)というのは情けなくないかな?
この当時、火星に着陸したばかりのバイキングの映像。
すでに「次の計画では車輪が有って自走できる探査機になる」事が書かれています。実際にはバイキングの探査結果「火星には生命はいそうもない」ということになり、議会から予算が下りなくなったため永らく火星探査氷河期が訪れるんですが。
前年に打ち上げられたボイジャー2号の映像。「天王星まで行く!」というフレーズに子供心に興奮しました。実際には海王星まで行きましたけど。当時天王星や海王星の映像なんて、パロマー山の巨大望遠鏡をもってしてもただの光の点にしか見えなかったですから。「ボイジャーが天王星につくのは僕が中学生の頃かぁ~宇宙って広いなぁ~」と途方にくれたもんです。
とりあえず、お見せしたい映像があまりにもたくさん有るので本日はここまで。
« 宴の後 | トップページ | 富士がついに白黒フィルムから撤退... »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 小樽市立図書館(2023.06.07)
- たまには毛色の違う本を読んでみる(2023.04.11)
- 「無責任艦長タイラー」吉岡平氏死去(2023.02.26)
- ううっ!寝坊した・・・(2022.10.31)
- おお、載っていた(2021.08.29)
コメント