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2018年10月11日 (木)

輝かしい失敗

コミックスを買うほどではないけど連載当初から注目していた週刊モーニング連載の「宇宙兄弟」。今日発売の連載で、オービターのドッキングハッチの故障で地球に帰れなくなった月面滞在中の飛行士2名を救出するため、米国NASA、ロシアロスコスモス、日本のJAXAの連携プレーで種子島から日本のロケットでソユーズを打ち上げるお話がありました。

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フィクションが現実と重なるのはハードSFではよくあるお話(2001年宇宙の旅のアーサーCクラーク氏も自分が小説で描いたトラブルそっくりの事が現実のアポロ13号で起こった事を書いています)ですが、本日、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地で打ち上げられたソユーズが途中でロケットがエンストして緊急脱出ロケットで脱出して2名の飛行士が生還という信じられないニュースが!!

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緊急脱出ロケットが作動したのは1983年の事故(このときは本当にロケットが爆発した)以来と記憶しています。「MoreはGoodの敵」「枯れた技術こそ最高」とSF作家の野尻抱介氏が「ロケットガール」の中で書いていましたが、本当に「古典的な」「枯れた技術」がいかに安全性が高いかを、2度に渡って証明した訳です。これがスペースシャトルだったら絶対助からなかった訳で...

前回の1983年の事故で生還したウラジミール・チトフ氏↓は

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命が助かった喜びよりもミッションが失敗した悔しさから「なんてこった!また宇宙に行きそこねた!」と悔しがったそうです。今もロスコスモスの重鎮で、優秀な後輩たちを育てています。

これ、本当に日本のJAXAも米国NASAもロシアから学ぶことすごくたくさんあるという立派な教訓になったんじゃないでしょうか(詳細↓)?

https://www.jiji.com/jc/v2?id=20090609japanese_astronaut_19

結局、JAXAの的川先生やSF作家の野尻抱介氏のおっしゃるとおり(「2001年宇宙の旅」のアーサーCクラーク氏も「ボーマン船長は父親をシャトルの事故で亡くしている」というセリフでシャトルがいずれ事故を起こすことを予言しています)、スペースシャトルは多大な人身事故を2回も起こして退役してしまい、使い捨てロケットの方が安全で安上がりという事が証明された訳ですし、現在ISECGという国際組織で、米露日欧が共同で有人月面探査や火星探査をやろうとしている中、もっとも有人宇宙飛行の経験が長いロシア(=旧ソ連)の経験とノウハウはNASAにとってもJAXAにとってもESAにとっても(あと、ISECGから一歩距離を置いている中国にとっても)学ぶことはたくさんあると思います。

とりあえず、生還した2名の宇宙飛行士さんの無事を喜びたいと思います。

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