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2019年10月14日 (月)

宇宙の人命救助

まずは今回の台風19号の被災者の皆様にお見舞いの言葉を上げさせてください。私もコンビニで義援金で協力させて頂きます。

今回の台風の特徴は被災する3~4日前から気象衛星ひまわり8号が送ってきたリアルタイムの動画が配信され、一刻も早く避難を呼び掛けたことでしょう。「命を守るために行動して下さい」。まさにおおげさな誇張ではなく、警報通りの被害が出ました。

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亡くなられた方には申し訳ありませんが、1959年の「伊勢湾台風」の犠牲者5千人や1954年の「洞爺丸台風」の犠牲者1700人に比べたらはるかに少なかったのは、事前に気象衛星からの映像がリアルタイムで実況中継され、進路も特定できたことにあります。それでも「被害は少ない」とはとても言えないほどの大惨事になりました。「逃げれば良い」という水準ではもう無い。

実は現在のJAXAの前身の宇宙開発事業団(NASDA)の更に前身(ややこしいな..)宇宙開発推進本部ができたのもこの伊勢湾台風の反省から「日本は独自の気象衛星を持つべきだ」という国会決議によって決まったんです。当時の科学技術庁長官は後に総理になり消費税を作った中曽根康弘氏。1957年の国際地球観測年に合わせ、「宇宙の科学探査」が目的で設立された東大宇宙研(ISAS)と較べ、NASDAは宇宙から気象、放送、通信、海洋観測、測量など宇宙から日本国民の生命と安全を見守る「宇宙からの人命救助」のために設立された組織なんです。ちなみにISASを統括するお役所は当然大学なんだから文部省。結果文部省と科学技術省が宇宙開発予算を奪い合う形になるわけで、本当は仲が悪い訳ではなく共同でロケットを開発したりISASの大学院生の卒業生がNASDAに就職するくらいだったのに、何も事情を知らない議員(社会党)やマスコミ(朝日新聞)がISASとNASDAは対立しているというようなデマを流したせいで、すっかりこの2つの宇宙機関は仲が悪いように思われてしまった。その結果、2003年にJAXAに統合されるまで日本にはISASとNASDAという二つの宇宙組織が連携不足な中、二人三脚で宇宙開発をするという状態が続いたんです。

宇宙の科学探査を行うISASの歴史が苦労の中にも科学者たちの遊び心が感じられるのに対し、官僚とエンジニア中心のNASDAは「俺たちは遊びでやってるんじゃない!日本国民の命を背負っているんだ!」という息が詰まるような苦闘の連続に感じるのも背負っている物が違うからなのでしょう。

宇宙の人命救助と言えば、掃除中に懐かしいVTRが出てきました。西部劇で有名なジョン・スタージェス監督、マーティン・ケイディン原作('70年代のTVドラマ「600万ドルの男」の原作者といえばわかるかな?)「宇宙からの脱出(MAROONED)」(1969年作品)

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無重力の特撮なんかは「2001年宇宙の旅」よりむしろ出来が良い。当時構想段階にあったスカイラブ計画をモチーフにして、逆噴射エンジンが故障して地球に帰還できなくなった(注釈:この可能性はアポロ8号の時に実際に検討されている)3名の宇宙飛行士の救出劇です。エンジンの故障の原因を探るべく、地上チームが実物のエンジンを何度もセッティングを変えて点火テストを繰り返しても故障の原因が特定できず「くそっ!またダメかっ!」と頭を抱えるシーンなんかは映画の「アポロ13」そっくりで本当に翌年のアポロ13号の事故を予見していたと当時言われました(参照↓)。私もこの本読んでます。

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少しネタバレになりますが、救援用のロケットを準備中に例によって台風が接近し、打ち上げが延期になってしまった間に宇宙船の酸素残量が刻々と枯渇していき、見ている観客も息を止めて見入る切迫した環境におかれます。「だめだ!もう窒息死する!」という極限化に、見かねたソ連が独断で当時最新鋭のソユーズを打ち上げ(原作小説ではアメリカに何の報告もなくソ連がバイコヌールからロケットを打ち上げたので「何をするつもりだ?」とNASA側が動揺する記載があります)、アメリカの救難船が来るまでの間酸素を供給して時間稼ぎをしてくれるというまさしく6年後の「アポロ・ソユーズドッキング計画」を予見したような内容。まあ、米ソはお互いの宇宙船が遭難した際に救出活動ができるよう条約を結ぶべきだというのは当時ニクソン大統領も言っていて翌年に条約が結ばれているので、この映画もそのきっかけの一つになったのかもしれません。主席管制官のグレゴリー・ペック氏の演技が「漢」で燃えます!

原作小説ではギリギリのところで生き延びた米国の宇宙飛行士が、命の恩人のソ連飛行士に敬礼してEND。犠牲者は出たけど、感動的なラストでした。現実の宇宙開発もかくありたい物ですね。

PS)「タンチョウの雛だけ写真集」印刷所さんから「ファイルのサイズ守ってくれないと困ります」と先週こっぴどく指導され、今日指定されたファイルのサイズに直して印刷所に入稿して受理されました。とりあえず一安心。

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