マージナルオペレーション
昨日、9万円の不就労所得が舞い込んできたので、頑張った(何をだ?)自分にプレゼントという事で、前から気になっていた「マージナルオペレーション」全巻、Renta!でオトナ買いしちゃいました。
この絵で世界観がわかると思いますが、いわゆる「傭兵モノ」です。民間軍事会社を経営する男と彼が雇った少年兵の戦いを描いた作品で、「パイナップルARMY」に近い。
「子供を戦争に駆り出すなんて!なんて非道な男だ!」という世間からの悪評を甘んじて受けて主人公は偽悪者を演じます。作中でもその記述は多い。ご存じのように「傭兵」「少年兵」そのものがジュネーブ条約で禁止されています。なので作中でも記載があるが「傭兵」という言葉を使わず、「警備会社の社員」と名乗らせています。
「君には他にあの子たちを養う方法があるのか?」言い放つ主人公。そう、無いんです。
子供たちは「難民」「戦災孤児」「ストリートチルドレン」など、学校にも行けない子供たちばかり。ヒロインのジブリール(画像上中央)ですらも最初の作戦で知り合った部族の族長から「娘を嫁に貰ってくれ!」とたった12歳で主人公に押し付けられた子です。
中央アジアのタジキスタンもひどかったが、一見平和に見える東南アジアにも絶望的な貧困がありました。主人公の会社に志願兵の子供たちが列をなして押し寄せてきます。
発展途上国の厳しい現実。この悲惨な子供たちにたらふく食べさせマトモな職業に就かせるために、幼い命を戦場に送り出すのです。
イブン。最初からのメンバーの一人で隊1番の射撃の名手。いずれ主人公の右腕になるのが夢。
明日をも知れぬ命ながらも子供たちはみな底なしに明るいし、主人公を父のように慕っています。他に選択肢が無かったとはいえ、全員が志願兵で自ら入隊希望したんです。誰も泣き言なんて言いません。
メインヒロインのジブリールは主人公のお嫁さんになるつもり満々です。
サブヒロインのジニ。自称主人公の「第2夫人」(第1夫人の座はジブリールに譲るとのこと)。彼女のこの言葉に国連査察団も主人公を信用します。
ベトナムのストリートチルドレンだったグエン。自分の親を殺しているらしい。口は悪いけど律儀な性格です。「俺が新田のこと裏切るとは考えないんですか!?」とあまりにもグエンを信用し過ぎる主人公に忠告した際に、主人公が言った一言「そんなこと心配していない。」に対する返答にグエンは「貴方はスキがあり過ぎる。俺が貴方のスキを守ります。」と忠誠宣言。のちに一流のスナイパーに育ちました「すぐにイブンを追い越しますよ」と宣言していることから彼も一生主人公についていくつもりでしょう。
誰もが主人公に忠誠と信頼を寄せています。フィリピンのスラム街出身で絵が上手くて視力抜群のサキ。その画力と視力で仲間を救います。後にイブンに惚れられます💓。中国軍との戦いに生き延びて日本の高校に進学したらしい。
主人公に感謝し、仲間を庇う為に自白を拒否して殺された最初の戦死者ハキム。読書が大好きで聡明な少年でした。
主人公が率いる少年傭兵たちは、大人もてこずるほどの精強集団となり、業を煮やした中国軍から空爆を受けて全面戦争に発展し、後半はどんどん悲惨な事になっていきます。
中国軍の爆撃で亡くなった子供たちに涙する主人公と国連から派遣された自衛隊幹部の女性。これは今、本当に国際社会で現在進行形で起こっている事です。戦争の無い平和な国で、安全な水や食料が手に入り、職業を自由に選べる事がどれだけ恵まれているか。深く考えさせられる良書です。オススメ。
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