人生やりなおしモノ
人生にコケた落伍者が前世の記憶を持ったまま過去に戻って人生をやり直しサクセスライフを送るという「人生やり直しモノ」
SFで有名どころでは「紺碧の艦隊」とか「夏への扉」がありますが、私はこういう「未来を知った上で過去の歴史を弄る」ネタは「後出しジャンケン」で卑怯だと思うのであまり好きではない。かわぐちかいじ氏の「ジパング」とか。
でも、好きでなくても面白いからついつい読んでしまう。今回私がハマったのは「JKからやり直すシルバープラン」。ネット開いているとこの漫画の広告がしつこくしつこく出てくるので「仕方がない、読んでやるか」と立ち読みしたらハマっちゃいました。
バブル時代に裕福な親や祖父にさんざん甘やかされて常識無くわがまま傲慢に育ったお嬢さんが、祖父や親と死に別れたとたんに落ちぶれてホームレスになり、最後はホームレス狩りに合って殺害された・・・と思ったら30年前にタイムリープし、人生やり直すという過去に何十回も描かれたプロットです。
ピッチピチの女子高生に戻った主人公は前の人生でコケた一番の原因はお金と人脈を粗末にしてきた報いだと反省して、両親の浪費癖をやめさせ、「お友達作り」に血道を上げます。んが、二ノ宮小百合の周りのクラスメートは流石「コミックバルキリー」の連載漫画だけあって皆きっつい性格の子ばかり。今まで散々他人をコケにしてきた傲慢女がいきなり「仲良くしましょう!」と言っても周囲が信じる訳がない。
今まで親の財力で勉強もせず推薦入学と賄賂で進学してきた小百合は脳みそお花畑のおバカ娘(これが人生こけた一番の理由なんだが・・・)。
先生の勧め(半分拝み倒し)で学年一番の優等生の柏村真紀に家庭教師を頼みますが、瞬殺されます(当たり前)。
過去2年間の悪行はそう簡単にチャラにはできない。「こいつが本気かどうか試してやる!」ため自分の弁当屋さんでタダ働きと条件を出します。ここで引いたら後がない小百合は快諾しますが・・・・
実は真紀の弁当屋さんは父親の作った借金でつぶれる寸前でした。挙句の果てに父親が食材の費用を全部競馬でスってしまいいよいよ廃業か!というときに親に先立たれフリーター生活で苦労した前世の記憶をフル回転させた小百合は残った食材であっと驚く新メニューを考案し経営を再建します。
同じく本当は小百合と仲良くしたいんだけど素直になれない白石ハヤナ(1990年当時は珍しいパソコン少女)に得意のパソコンでポスター制作を依頼し勝負に出ます。結果は
売り上げが10倍に!今まで他人のために頑張ったことなんか一度も無かった小百合は自分が友達の役に立ったことで嬉し泣きの涙を流します。これを見た真紀もやっと小百合が自分の過去の過ちを後悔して反省していることを認め、まともに家庭教師をするようになります。前半最高の山場ですね。
更には前世で心無い自分の暴言のせいで父親を自殺にまで追い込んでしまった後悔から同じく破綻寸前の柏村父娘を仲直りさせます。
「もう二度と同じ過ちはしない!」小百合はその後「アルプスの少女ハイジ」のように関わる周囲の人々全員に幸せを呼び込んでいくというサクセスストーリーです。クサい感じはあるけど笑いと涙と感動がバランスよく組み込まれた人情劇で読みふけってしまいます。真紀につきまとっていた借金取りでさえ本当は真紀の事を心底心配していた。
「小百合」「真紀」と名前呼びするようになった時、二人は初めて親友になれました。
まだまだ話は中盤ですけど、小百合の「やり直し人生」はどうやらハッピーエンドで終わることは約束されているようです。
ともすれば重くなりがちなプロットですが、随所で炸裂する強烈なギャグが良いガス抜きになっている。これまた続きが楽しみな作品でした。オススメ!
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