いまさら初もうでの話4
最後のネタは私も描くのが辛い人間魚雷回天。
これアメリカの博物館から返還された実物です。
漫画では「特攻の島」があります。
先の桜花と同様人間自身が誘導装置となり自殺特攻をする救いようのない兵器。
前後の酸素タンクはエンジンを動かすためだけのもので人間の呼吸する酸素は室内にある分だけ。なので爆破自爆しなくてもいずれ窒息死します。内側からはハッチは開けられないので脱出もできません。
外を眺める装置はこの潜望鏡だけ。こんな短い潜望鏡で海上を眺めていたら上から丸見えで到達前に機銃で迎撃される事が多かったようです。
手前にはベースとなった93式酸素魚雷も展示されています。
そもそも窓もレーダーも使えない海中で音とわずかな視界しか得られない潜望鏡だけで自分の位置を計算し索敵をするのがどれだけ困難かわかるから潜水艦を動かすのにあれだけの大人数が必要なのに、たった一人の操縦士が限られた酸素残量でそれを全てこなすのがどんなに困難な事か。実話を元にしたニコラス・ケイジ主演の映画「パシフィックウォー」でもそのことが描かれています。
射出したら絶対に操縦者は死ぬとわかっているのにあまりの命中率の悪さに「日中でこんな至近距離でも命中できないのか!」と伊58潜水艦の橋本以行艦長が吐露しています。
原爆を運んだ重巡インディアナポリスを撃沈した際に「戦艦のような好目標になぜ回天を使ってくれなかった!」と泣いて悔しがる搭乗員に橋本艦長が実際に、「命を無駄にするな。無人の通常魚雷で撃沈できるのならその方がいいに決まっている。」となだめています。
溶接の跡も生々しい。こんな雑な仕上げで海中を潜航したなんて・・・爆死するよりも故障や酸欠で死んだ搭乗員の方が圧倒的に多かったのが分かる。回天の発案者みずからも事故で酸欠死しているし。
パシフィックウォーはトラ・トラ・トラや硫黄島からの手紙やミッドウエイのように日米双方の立場から公平に描かれた映画なので歴史を学ぶためにぜひ視聴をお勧めします。
「お互いの国の大いなる誤解と資源の浪費を訴える」トラ・トラ・トラのDVDに書かれていました。
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