フォト
無料ブログはココログ

書籍・雑誌

2019年6月30日 (日)

10大宇宙クラブ続き

9位「イラン」2009年。

Cimg2452

オミード。これも当時アメリカが「戦略ミサイルだ!」と噛み付きました。米とイランの険悪な仲は今に始まった事じゃない(参照:まるで40年前に時計の針を戻したようだ...)

10位「北朝鮮」2012年。

Cimg2453

光明星2号・3号。一応軌道には乗った事が米NORADのレーダーで確認されましたが、何も電波を発していなかったようで「打ち上げ成功、運用失敗」のようです。国民を餓死させて置きながら人工衛星を打ち上げるというあたりにこの国のどうしようもなさが伺えます。

11位「韓国」STSAT-2。2013年。

Cimg2454

ちなみにウィキペディアではロシアから輸入したロケットなので「自力での打ち上げ」とは認めていない模様(w)。10番目に入れなかったことで韓国マスコミがすごく悔しがったというが、悔しがるよりも北朝鮮がそんなぶっそうな物持っていることに対する危機感とか無いんでしょうか?

そして昨年

12番目「ニュージーランド」2018年。

Cimg2455

キューブサット7機。今年の1月に内之浦から打ち上げられたイプシロン4号機の「革新的技術実証衛星」と同じコンセプトです。ホリエモン氏のMOMOロケットにしても北大永田春紀先生のCAMUIロケットにしろ、超小型キューブサットの打ち上げはすでに民間企業主導で行われている。この方も書いているとおり「人口が480万人というのは、北海道や北欧のデンマーク・ノルウェー・フィンランドとほぼ同じでありスウェーデンの半分ということだ。そんな国でも人工衛星を打ち上げられるだけのロケットを作れるということは、大抵の国で作れることを意味する。」今後、民間企業がどんどん衛星打ち上げビジネスに参入することで人工衛星の打ち上げ費用が下がる事は宇宙開発の発展のためにも良いことだと思います。まあイランや北朝鮮のように弾道ミサイル開発の隠れ蓑に使われるのはまっぴらですが。個人的は、次の13番目の国はインドネシアになるんじゃないかと予想しています。ブラジルの可能性もあるけど、

Photo_20190630141801

過去に大惨事を起こしたし、どうかなぁ?

Rx-420-project

さすが、糸川先生の時代に東大宇宙研からカッパロケットを大量購入して研究しただけ有って、日本のラムダロケットそっくりです。日本のJAXAも日本の技術で打ち上げるのは好意的に見ているようです。赤道直下の国ですので打ち上げの条件は日本よりはるかに恵まれている(内之浦から打ち上げるより燃料が少なくて済む)。50年前から観測用ロケットで実績のある固体燃料と、誘導装置がいらない重力ターン方式という日本が手取り足取り教えてきた「枯れた技術」ですのではるかに成功の確立は高いと思います。

私が生きている間に人類は月へいけるか?

今年はアポロ11号の月着陸から50周年ということで様々なイベントが開催されています。

Cimg2456

今まで金勘定と軍事しか興味がないと思っていた米トランプ大統領ですが、意外にも宇宙開発にも意欲を示し、ブッシュ息子大統領がオリオン計画としてして提案しながらもオバマ大統領が「んな金有るか!」と一度はキャンセルした有人月探査計画を再発動しました。私の予想通り、ISSのこうのとりの実績から(参照。←自国で補給できなくなって日本に無理言って荷物運びを押し付けておきながらこのドヤ顔は何なんだろう?)、無人の補給物資輸送は日本のJAXAに任される事に。これはアニメの「宇宙兄弟」のように日本人宇宙飛行士が月面に立つ日も近いことを意味しています。

Cimg2457

アメリカも「日本に液体燃料ロケットの技術を教えて良かった!」と思っているでしょう。実はG7と呼ばれる国でも自力で人工衛星を打ち上げられる国はそう多くは無い(と言うか米国と日本しかいない)。V2ロケットを開発した元祖のドイツは戦後はロケット開発を禁止されたし、イタリアはアメリカから買ったスカウトロケットを打ち上げてはいたけどそれもESAの活動が軌道に乗ったら辞めちゃったし、フランスも打ち上げ設備をESAに移管してからは自国だけでの打ち上げはしていない。イギリスにいたってはたった1回人工衛星を打ち上げただけでその技術を破棄してしまった(後述)。カナダも自国でのロケット打ち上げを諦めた国だ(過去には爆撃機の開発もアメリカに邪魔されて中止している)。詳細は新刊2冊

参照。

「10大宇宙クラブ」という言葉があるらしい。何だ?ISECG(国際宇宙探査共働グループ)のことか?と思ったらそんな正式な名称ではなく、まだ人工衛星を打ち上げていない国が嫉妬やっかみと羨望を含めて名づけたらしい。ちなみに、10大宇宙クラブの衛星打ち上げ順位は..

1位「ソ連」1957年

Cimg2444

スプートニク1号(下は2号)

2位「アメリカ」1958年。

Cimg2445

エクスプローラー1号。ヴァン・アレン帯発見という科学史に残る成果を挙げました。

3位「フランス」1965年。

Cimg2446

A1アステリックス。豪快な打ち上げシーンですね。

4位が何と我が「日本」1970年。

Cimg2447

おおすみ。当時世界最小の打ち上げロケットでした。低予算で良くぞ頑張った東大宇宙研!

5位「中国」1970年。

 

Cimg2448

東方紅1号。日本のわずか2ヶ月遅れ。タッチの差でした..しかし衛星の大きさ、機能共に完全におおすみは負けています。おおすみはビーコン波を出すだけでしたが東方紅1号はその名称の通り中国の国歌を衛星軌道から流しました。宇宙デビューは日本と中国は同期ですが、すでに技術的には大きく引き離されています。

6位「イギリス」1971年。

Cimg2449

X3プロスペロ。

名前からわかるとおり、2回失敗した上で3度目の成功です。しかし予算不足を理由に(実はアメリカの圧力で)これ1回でイギリスは人工衛星打ち上げをやめてしまいました。これが最後の打ち上げとわかっていながら挑んだ現場の技術者の屈辱はいかほどだったでしょうか?

7位「インド」1980年。

Cimg2450

ロヒニ1。

ロヒニとはインド神話の月の神の奥様の名前。日本の月探査機セレーネ(かぐや)に通じるところが有ります。実家に有った平凡社の「国民百科辞典」で的川泰宣先生は1976年の時点で「イギリスの次に人工衛星を打ち上げるのはインドだろう」と予言していました。実際にその通りになりました。今やインドは中国、日本と並ぶアジア3大宇宙大国です。

8位「イスラエル」1988年。

Cimg2451

オフェク1。

イスラエルは東側が内陸になっているので、人工衛星打ち上げには不利ながらも地中海がある西側に打ち上げなければならず、地球の自転方向に逆らう逆行軌道しか選べないため、打ち上げてもすぐに落っこちてしまう宿命を負っています。それでも打ち上げを強行するのはアラブ周囲国に対する威圧もあるのでしょう。画像10枚貼ってしまったので後は次回(→10大宇宙クラブ続き )

2019年6月14日 (金)

東山魁夷ブーム

何か、北海道立近代美術館の東山魁夷展や東山魁夷氏の特別番組が放送されるのを見て、「何か?今は東山魁夷ブームなのか?」とか今更気づいた自分は大バカですな。今年は東山魁夷氏没後20周年です。

Cimg2395

これも父の遺品。父の死後に物置から出てきたのを職場に寄贈しました。奥付は1978年ですので実は凄かった日本の宇宙開発 と同年ですね。今見ても、この頃の新聞社のグラフ誌って超コストかけてます!40年以上経った今読んでも面白いです!印刷技術も40年以上経った今の基準で見ても最高品質です。ネット時代の現在、出版業界の疲弊ぶりは言うに及びませんが、印刷媒体が「保存できる唯一のメディア」だった頃は、インテリ層だけではなく、一般市民も「知識を蓄え、政治家やマスコミの言いなりにならないように理論武装しよう!」と一生懸命、本を読んでいた良い時代だったんです。だって、ネットの情報って消去されたらそれで終わりだけど紙に印刷された書物は出版社側がどんなに消去しようと愛好者の手元には残るんです。「あんたは”そんなこと言った覚えは無い”って言ったけど、この本であんたはこういう事を書いているんだよ!」と問い詰める絶好の証拠になります。

印刷してしまったが最後、その証拠は半永久的に残る。だからこそ当時のブン屋さんは現在のブロガーやユーチューバーよりはるかに自分の発言に責任と覚悟が要求された。どっちが良いか悪いかは此処では論じませんが、後々、自分の首を絞めるようなことが無いように現代のブロガーさんやユーチューバーさんも言動には気をつけましょう。炎上した後で履歴を消しても、データ保存されたらいつまでもネチネチ攻撃されるんです。

話を元に戻しますが、東山魁夷氏の名前を覚えたのは高校の美術の教科書でした(遅いって!)。確かタンチョウの油絵だったと思う(タンチョウしか興味無いのか?)。

Cimg2396

ただし、東山魁夷と聞いただけですぐにこの水墨画を思い出したのは事実。高校時代の美術の教科書では「白馬シリーズ」と銘打って、白馬をよくモチーフに選んでいたのを思い出しました。

Cimg2397 Cimg2398

私も後年に、花鳥風月のなかで特に月、鳥、馬、森林をモチーフにしていたのは東山魁夷氏の作風にいくばくかの影響を受けたと自覚しています。

Cimg2399 Cimg2400

この画集で一番感動したのは作品そのものより製作風景。えぇ~、本当にふすまの上に時下に描いていたんだ~。って一番右側の画像は高校美術の教科書でも見た覚えがある。ちなみに私、高校時代の美術の成績は「9」でした(えっへん)!なんで10じゃなかったかというと、美大を受験する生徒のために10は取っておかなければいけなかったから(w)。まぁ、私もそれ知っていたからむしろ光栄に思ってました。当時の美術の先生、私が医療職に進むのをすごく残念がっていたのを覚えている。

現在、うだつの上がらない医療職の末席にいる私ですが、満足しているわけでもないけど後悔は一切していません。「お金持ちになりたければ動物写真家にはなるな!」と岩合光昭氏が書いていたし(w)。

2019年5月 7日 (火)

届いた!

GW後半 で予告した「写真工業2007年12月号がもうはや届きました。

Cimg2264

期待通り、「このレンズのことは紹介したかった!」というレンズが載っていて注文した甲斐がありました。

Cimg2265

やっぱりニコンのヨンサンハチロク(左上)とキヤノン35-70ミリF2.8-3.5SSC(右上)はどのズームレンズの文献にも必ず出てきます。

Cimg2266 

こちらにも出てきたシグマ21-35ミリ。このレンズもどのズームレンズの文献読んでもほぼ必ず登場しますね。

Cimg2267

ギャグやネタでは扱われていても、作例入りで大真面目に紹介されることはあまりない。フォクトレンダーズーマー。野村證券のリチャード・クー氏の肝いりの記事です。これはすごい。いやぁ。これは買って良かった。一気に情報源が増えました。今執筆中の「2群ズーム」かなり書き直す部分が出てきましたよ。

2019年5月 3日 (金)

GW後半

公約通り、冬コミデビュー目指して「ズームレンズのあゆみ」執筆中です。1日中座りっぱなしでケツが痛い、足が痺れる...

Cimg2248

パソコンばかりいじってないでわたしの相手しろ!クロ子ちゃんはご主人様の苦労も知らず..

Cimg2250

今回書庫から引っ張り出してきたお宝。頼みの綱の資料本の山です。まず資料本探しから始まり、ズームレンズがまだ海のものとも山のものとも知らずに執筆を始めた15年前から比べると、山のように手元に資料があるうえに15年間の予備知識の積み重ねが有るので、はるかに楽です。それでもこれだけ資料本があっても、まだ欲しい本が見つかり、今日もAMAZONで写真工業誌2007年12月号注文しました。わざわざ東京まで古書探しに行った15年前から比べると資料本探しも本当に楽になりました。

Cimg2251

改めて資料本読んだら、このレンズも中川治平先生の設計でした。シグマのレンズに中川先生の作品が多いですね。いやあ'80年代のズームレンズは面白いです。

Photo_6 Cimg2253

創世期のズームレンズを調べたら中川治平先生の本でも吉田正太郎先生の本でも出てくるツァイス・アゼロス4倍ー20倍望遠鏡。今はこんな資料も簡単にググったら出てくる。15年前よりはるかにネット環境は恵まれてます。

100年前は4倍ー20倍のズームモノキュラーはこんなに長かったし高価だったけど、21世紀現代の光学技術をもってすれば同程度の倍率(7倍ー21倍)のズームモノキュラーが

Photo_8

たったの2.400円で買える。もう小学生がピクニックで持ち歩くお値段です。なんて素晴らしい時代なんでしょう(w)。

まだまだGWは3日も残っている。うう、完全に引きこもり中年だ..

とりあえず、ズームレンズ創世期編は書き終えました(全5ページ)。明日からは2群ズーム、3群ズーム、4群ズームの歴史と、歴史に名を残した名ズームレンズの紹介をしていきます。

2019年4月21日 (日)

新刊2冊

Cimg2165

4月に購入した新刊2冊をご紹介。

Cimg2210

「ロケットが来た」(鈴木翔遥著/文芸社/2017年)

1975年に打ち上げられた日本初の液体燃料ロケットNロケットと技術試験衛星きくの開発秘話と、当時の著者の青春ドラマです。おそらく著者の回顧録だとは思うのですが、フィクションの体裁を取っており登場人物や企業名は宇宙開発事業団とNHK以外は仮名になっています。

Nロケットは米マクドネル・ダグラス社のソア・デルタロケットの技術提供で現在では「肝心な部分はブラックボックスで何も教えてくれなかった」というマイナスの面ばかり語られていますが(詳細↓)

ロケット開発、七転び八起き(By的川先生)

1978年の宇宙本、第2報

実は凄かった日本の宇宙開発

この本を読むと、「いやぁ、これはアメリカから技術導入しなかったら、どうにもならなかったわ!」と思います。確かに作中でも「ターボポンプは触らせてくれない」とありましたが、機密ではない部分、配管やノズルやタンクについてはアメリカの技術者は手取り足取り親切丁寧に教えてくれたし(まあお客様ですから)、その機密ではない部分でさえも当時の日本の技術では手も足も出なかったのは事実。

当時、日本政府は1970年までに技術試験衛星を静止軌道に乗せる事をNASDAに要求していましたが、「カネもヒトも時間も技術も足りない。絶対に無理だと思った!」とNHKコズミックフロントで答えています。その一方、気象衛星を欲しがる気象庁や放送衛星を欲しがるNHKや通信衛星を欲しがるKDDや電電公社(現NTT)などユーザーからは「一刻も早く衛星を打ち上げてくれ!」と矢の催促(実際に技術試験衛星きく2号を静止軌道に乗せたのは7年遅れの1977年)。これ以上ユーザーを待たせたら日本の宇宙開発そのものが打ち切りになり、イギリスのように人工衛星を打ち上げておきながらも、放棄し衛星打ち上げを外注する国になってしまう(参考資料↓イギリス最初で最後の人工衛星「プロスペロ」打ち上げロケット、ブラックアロー。1971年10月28日打ち上げ)。

Cimg2214

(引用文献:1978年の宇宙本、第2報

Cimg2216

(引用文献:実は凄かった日本の宇宙開発 ) え?何で炎が無いの?UFO?と小学1年生の時この写真見て驚きました。酸化剤に液体酸素じゃなく過酸化水素を用いていたので噴煙が出なかったそうです。

「これが失敗したら日本の航空宇宙産業は終わりだ。」という崖っぷち感は現在の国産ジェット旅客機MRーJの立場に似ていますね。作中でもYS-11の設計者がNロケット開発に参加してるのはそれを匂わせているのかな?。

ブラックボックスには厳しかったアメリカ側ですが、技術導入にはとても熱心で、休日にアメリカの技術者の家に招かれて交流するエピソードとかは心温まる場面です。国と国との思惑とは別に、ロケットを愛する技術者たちの友情と情熱には国境は無いと思いました。

糸川先生率いる東大宇宙研(ISAS)はアメリカからの技術導入には反対の立場で、「ISASも液体燃料ロケットの基礎実験はしている。うちの研究データを渡すからアメリカからの技術導入はやめてくれと」いう立場だった(それで糸川先生はアメリカから睨まれ辞任に追い込まれた)んですが、NASDAも嬉々としてアメリカの技術導入を受けた訳ではなく苦汁の選択だったのがわかります。秋葉鐐二郎氏のインタビューでも糸川先生率いるISASが内之浦から人工衛星を打ち上げようとするとアメリカの軍事顧問団が視察に来るようになったと回想しています。

>アメリカは国際関係のバランスから言って日本がこのようなロケット技術を持つことに、まあよしとしていたと思います。欧州ではそうはいかなく、どんどんその芽を摘み取られていたのですよ。この差はえらい違いですね(引用)。

遠まわしにイギリスが独自の衛星打ち上げを放棄せざるを得なかったのはアメリカの圧力だったことを示唆してます。イギリスは戦勝国の恩恵で国連の常任理事国になれましたけど、戦後のイギリスの航空宇宙産業や自動車産業の斜陽化を見ると、第2次世界大戦最大の敗者はイギリス・オランダだったんじゃないかと思う。日本・ドイツは戦争には負けたけど「経済封鎖は止めてくれ!ちゃんと料金は払うんだから自由貿易を認めてくれ!」「東南アジアの植民地支配は止めてくれ!」という日本の言い分は通ったんですから。

Cimg1652

NHKプロジェクトXより。五代富文氏もNHKのインタビューで「技術導入は好かない訳ですよ。」と本意では無かったことを認めています。

アメリカは当時でもすでに自動車を始め日本との膨大な貿易赤字に頭を抱えていましたし、日本人の国民世論でも弾道ミサイル開発の意思は無いとはわかっていても(現在の某国の将軍様とは違って)、お人よしのISASがユーゴスラビアに輸出したカッパロケットの生産設備は、すっかりミサイル製造に転用され東側に流れてしまい、「これ以上日本にロケットの独自開発をさせたら危険だ。アメリカの監視下に置かなければ」という危機意識もあったんです。

このNロケットの経験が有ってこその現在のH-2AロケットとH-2Bロケットの成功があるんです。むしろ技術導入のおかげで近道になったとアメリカには感謝する必要もあると考えます。イギリスみたいに完膚なまでにロケットの独自開発を中止に追い込みはされなかった訳ですし。

 

そして、もう一冊。冬コミデビュー目指して光学本を買いあさっています。

Cimg2211

しっかり学べる光学設計の基礎知識(牛山善太著/日刊工業出版社/2017年)

ズームレンズの設計法はほとんど書かれていないので、直接引用できる資料ではない(そもそも数式中心の本なので私には歯が立たないw)ですが、収差やパワー配分とか、ズームレンズを語るに欠かせない基礎理論を調べるため購入しました。

この本読んで安心したのがこれ

Cimg2212

以前、私のサイトに対して「増田さんは凸凹張り合わせの色消しレンズのことをダブレットと呼んでいますが、それはダブルメニスカスであってダブレットとは絞りを挟んで前後に同じ形状の凸レンズを対称型に配する構成の事を言うんじゃないですか?」という突っ込みの書き込みがあったので?「え?そうなんですか?中川治平先生の著書(参照:« 資料本購入 )では色消しレンズの事を中川先生はダブレットと呼称していますよ?」と返答して沙汰止みになった経験があったんですが、この本でも色消しレンズのことをダブレットとちゃんと呼称している。良かった~!やっぱり正しいじゃん!自分!(調子に乗るな)!

Cimg2213

反論するときはエビデンス(根拠)を明記せよ!学生時代からの教訓です。この本買って良かった~

2019年3月31日 (日)

資料本購入

冬コミデビューを目指して現在資料本を読み漁っています(詳細;ヲタクの聖地 )。
Cimg2174

左の「図解雑学レンズのしくみ」が面白かったので中川治平先生の本を2冊買いました。中川先生は1970年代前半、オリンパスOMシリーズ初期のズイコーレンズを一手に設計されていた方です。ズイコー200ミリF5とか何か中途半端なF値のレンズが妙に多いのはきっと中川先生の設計哲学だと思ふ(w)。オリンパス退職後はフリーのレンズ設計者として活躍しました。本人は自分では言っていませんがシグマ21-35ミリF3.5-4(画像左上)は中川先生の独立後の作品らしいです。

Cimg2175

確かに中川先生の著書には必ずこのレンズ紹介されている(w)。CAPAの馬場信幸氏も経済学者のリチャード・クーさんもこのレンズ絶賛されてます。私の亡き父もミノルタMDマウントとコンタックスAEマウントでこのレンズ2本も持っていた。どんだけ好きだったんでしょうね~。

Cimg2176

「図解雑学」で中川先生、「2群ズームのFD35-70ミリ発売以前のキヤノンでは4群ズームで何度も広角化に挑んでは失敗していたらしい」と書いていましたが、それが事実だったと証明する設計例も載ってました。キヤノンニューFD35-105ミリF3.5。ニコンやミノルタでも達成できなかった(参照:やばいよ~絶対この人ウチのサイト読んでるよ~ 4群ズームで広角35ミリをキヤノンはやってのけた!これはすごい!!ただ、本の中でもかなり設計に無理があったのは認めていて「歪曲やフィルター径が大きくなるなどの問題点が克服しきれていない。設計する側には妥協が必要である」と書いていますね。

Cimg2177 Cimg2178

ズームレンズの歴史は、やっぱりそうそう新しい情報は無いか。上はバリオグラオカーとベルハウエル・クックバーローレンズで下はトランスフォカトール。ズームレンズの文献読んだら必ず出てくるレンズです。まあ、それだけ15年前にわたしが書いたWebサイトの内容が正しかったという事なんですけど。

Cimg2179

おなじみの4群ズームの概念的説明。わたしのサイトを読んだ方なら先刻承知ですよね。

Cimg2180

ズームじゃないけど面白かったので載せます。スタンリー・キューブリック監督が映画「バリーリンドン」で使ったプラナー50ミリF0.7は有名(知らない人はググって調べてくれ)ですが、ツァイスはそれにも満足せずF0.65っちゅ~のも設計しているんですね!!アッベの正弦条件によると写真レンズの明るさの限界はF0.5。アッベの正弦条件に肉薄してます!いったい何に使ったんでしょうね?このレンズ。レンズ後玉の直後にフィルムがあるから絶対一眼レフには使えません(汗)。

さぁ~て!良い資料本も手に入ったし!冬コミデビュー目指して執筆するぞ~!

2018年9月24日 (月)

宇宙への挑戦

台風と震災というダブルパンチに見舞われた中で、久しぶりに明るいニュース。最近宇宙開発方面の朗報が続いています。

朝日新聞2018923日朝刊より。

Imgp2266

JAXA/ISASの小惑星探査機はやぶさ2が無事に着陸機ミネルバ2-1の着地に成功!

Imgp2264

続いて本日は台風で延期していた種子島のH2Bロケットの打ち上げ成功! 

Imgp2263
ここんとこロケットの打ち上げラッシュですね。軍事と経済にしか興味が無いと思っていた米国トランプ大統領も「また月へ行くぞ!」と言っているし。こういう所に国民の税金を使ってくださるのは大いに大歓迎です。宇宙を制する国は世界を制する。

Photo
私が今から楽しみにしているのが来月ギニア・クールー宇宙基地から打ち上げ予定の水星探査機ベピコロンボ。これは1986年のハレー艦隊(https://www.youtube.com/watch?v=3YYLZNqOEPI参照)以来久々の日本のISAS(宇宙研)とESA(欧州宇宙機構)の協業ミッションです(ESANASAの協業ミッションとしては土星のカッシーニ・ホイヘンスミッションがある)。何でもESAの方からJAXAを誘ったそうですね。ロケットの打ち上げ能力に余裕があるので2機の衛星を相乗りさせましょうと(追記:すみません。すでに今回のはやぶさ2ミッションでもESAの着陸機を相乗りしていました)。

ESAが担当するMPO(マーキュリープラネタリーオービター)が水星の至近距離にまで近づいて地表を撮影し、ISASが担当するMMO(みお)は遠軌道を回り、水星の磁場を測定する。惑星磁力線の探査は1957年の国際地球観測年からの日本のお家芸ですからね。

4Photo_2
もう一つは内の浦から打ち上げられるイプシロンロケット4号機。全段固体燃料ロケットですから糸川先生のペンシルロケット(1978年の宇宙本、第2報参照)の直系の子孫です。全段固体燃料ロケットはISASのお家芸。なにやら正体不明ですが「革新的実証衛星」というのを打ち上げるらしい。「はやぶさ」にしろ「みお」にしろこのイプシロンにしろ、糸川先生が切り開いた日本の宇宙探査の伝統は21世紀にまで脈々と受け継がれていると考えると、日本人として誇らしいです。

Imgp2267
ちなみにこれは実家に残った父の遺品の百科事典。ネット時代の今日では粗大ゴミですが、まだネットのネの字も無かった時代は、学校や図書館が開いていない深夜でも調べ物ができるのはとても心強かったしとても役に立ったので十分モトは取ったと思っています。これの「宇宙開発」のページ。左から順に、月面初着陸したソ連のルナ6号、世界初の人工衛星スプートニク1号。ガガーリンが初飛行したボストーク1号。アポロ・ソユーズ共同計画。アメリカ人初の宇宙遊泳をしたエド・ホワイト飛行士(アポロ1号の事故で亡くなっています)。と、まあ小学生の頃「宇宙博」のパンフで見て大体知っているような写真が載っています。右側はESAISASの人工衛星の画像。奥付が19761010日なので日本の宇宙開発は、1955年の東大生産技術研究所の糸川先生のペンシルロケットから始まり1976年のNASDAの「うめ1号」打ち上げで終わっています。今となっては42年前なので情報としては古いですが、前年に発足したばかりのESA誕生の経緯は当時の最新情報なのでウィキペディアで調べるより当時の事情がナマナマしく伝わっています。英国がソ連、米国、仏国、日本、中国に続き世界6番目の衛星打ち上げ国になったのに1回だけで衛星打ち上げを辞めてしまった事情とか

Imgp2268
で、この項目読んで今更気づいたのが、この文章の執筆者も的川泰宣先生だった事!1976年当時の的川先生は34歳。42年前からすでに日本の宇宙開発史の語り部をされていたんですね!!

2018年7月15日 (日)

万国博タイムカプセル

Cimg1781
おやくそく通り、EXPO'70ネタを小出しに出していきます。今回は松下館と毎日新聞社が共同で開催した「タイムカプセル」。

これ、西暦2000年に調査のため一度掘り起こしています。当時ちょっとしたニュースになりました。詳細は米谷美久氏の名著「オリンパスペンの挑戦」(朝日ソノラマ)でも記載されています。

Cimg1779Cimg1780
収蔵品のうち、カメラ関係はミノルタMCロッコール58ミリF1.2とオリンパスペンFTが収蔵されています。収蔵品リストはココ↓。

https://panasonic.co.jp/history/timecapsule/storage/nature/N_4.html

当時、SF作家の星新一氏が「つまらないものばかり入れて....」と苦言を呈していましたが、私は十分面白いと思いましたしね。現代版ロゼッタストーンなんて良いアイデアだと思います。5千年後には日本語も死後になっているかもしれないんだし(w)。

Cimg1778
ちなみにこれが当時の松下の広告写真。「現代の技術力で5000年の歳月にいどむ」すごいキャッチフレーズです。ちなみに松下電器さんの自慢の収蔵品は当時最新鋭の1.5インチカラーテレビ。1.5インチ....この極小画面でテレビ見たがるユーザーってどれほどいたんでしょうか?船の上とか、登山用に造られたのかな?

今、大阪は2025年に再び万国博を誘致すべく活動中でパナソニックミュージアムではEXPO’70でサンヨー館で展示された「人間洗濯機」(クレヨンしんちゃん「オトナ帝国の逆襲」の冒頭で登場していましたね。)が展示中だとか。三洋電機倒産後、パナソニックが引き取ってくれたんですね。感謝!

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180713-00010006-asahibcv-bus_all

おぉ~!映像開いたらちゃんとオリンパスペンFTも展示されてましたよ~!

大阪城前の万国博タイムカプセルのモニュメントは高校の修学旅行の時に見ました。東大寺の大阪万博古川電工パビリオン「七重の塔」の相輪も。できれば塔全部東大寺に移転して欲しかったですねぇ(予算不足だったらしい)。ちょうどタイムリーなネタだったので公開します。

2018年7月 7日 (土)

心のふるさとEXPO'70

実家の父の遺品の整理で3冊も出てきた大阪万博本。この時期に働き盛りだった世代が今のお年寄りですのでうちの職場に寄贈したら大ウケです。

Cimg1768
今は亡き「北海タイムス」刊ですよ!

Cimg1769
ちなみに裏表紙の広告はペンタックスSP/SL。何気に、今や中古で垂涎の珍品タクマー24ミリF3.5が着いています。1970年当時としてはレトロフォーカス構成の一眼レフ用広角レンズとしては未曾有の「超広角レンズ」でした。当時、これより広角は魚眼のタクマー17ミリしかなかったと思う。

Cimg1770

ついでに表紙写真は当時の新製品ペンタックス67とタクマー55ミリで撮影とあります。

そうこうしていると、本日ファミマで同じようなコンセプトのマンガが並んでいたので感動して購入!万博本は近々ご紹介するとして、今回は右側のコンビニ本を紹介します。

Cimg1771

1978年の宇宙本、第2報で紹介した日本初の人工衛星おおすみの打ち上げエピソード。JAXAの小惑星探査機はやぶさ2号が小惑星リュウグウに到着したニュースもあり、最近日本の宇宙開発史にハマっています。

ここの動画でも紹介されていますが↓

https://www.youtube.com/watch?v=97rASB8rNgY

東大宇宙研(ISAS)の糸川先生が鹿児島県内之浦にロケット基地を造るのを決めたとき、ろくに道路も電気も通ってない寒村にそんな大それたモノを作れるわけないと町長が固辞したのを、地元の婦人会がもろ手を挙げて誘致に協力し、建設会社が断った道路建設に地元住民が協力したとあります。なぜそこまで地元住民、特に女性たちが宇宙ロケットにハマったかというと、このマンガで説明されておりますね。

Cimg1772
そう、宇宙基地が来ると、今まで電気が通っていなかった寒村の内之浦に、電気や舗装道路が通るようになる。基地の職員を相手に民宿や商店もできる。アニメ「超時空要塞マクロス」でマクロス墜落後の南アタリア島にあっというまに町ができたのに似てますね。いつの時代も女性は逞しい!

Cimg1773
4回連続で打ち上げ失敗。当時マスコミでそうとう叩かれていたようです。当時のアサヒカメラでも特集組んでいました。アサヒカメラさんは理解の目で書いていましたが。

Cimg1774
↑この技術者さんは的川泰宣博士じゃないだろうか(↓参照)?

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9A%84%E5%B7%9D%E6%B3%B0%E5%AE%A3

Cimg1775
打ち上げ成功を祈願して婦人会が千羽鶴を送ったエピソードは上述の動画でも紹介されていますね。今や世界に冠たる宇宙開発大国日本の第1歩は1970年から始まった。

ISASの科学者・技術者と内之浦の住民との交流はこちらに詳しい(↓参照)。

http://www.isas.jaxa.jp/j/japan_s_history/chapter02/index.shtml

現在、施設の老朽化もあり、打ち上げ基地を旧宇宙開発事業団(NASDA)の種子島に一本化しようという案が出たとき、内之浦では住民が「残してくれ!」と懇願したそうです。今や内之浦は鹿児島県民の誇りなんですね(↓参照)。

http://space-kimotsuki.jp/articles/love01/

これだけ地元民に愛されている宇宙基地というのも、そうそう無いと思います。

ちなみに、糸川博士のカッパーロケットはあくまでも観測用ロケットとしてインドネシアとユーゴスラビアに輸出されましたが、案の定ミサイルに転用されアメリカの激怒を買い、糸川先生は東大を辞職するハメになります。なんてことしてくれたんだ、インドネシアとユーゴ!(↓詳細)。

https://tech.nikkeibp.co.jp/it/atcl/column/16/051100109/051800004/

ただ、2018年現在インドネシアが初の人工衛星打ち上げ用に開発しているRPSー420は個体燃料ロケット+重力ターン方式の姿勢制御と50年前に糸川先生率いるISASが打ち上げたラムダロケットの技術そのものなのは嬉しかったりする。

最近の写真

  • Cimg2553
  • Cimg2554
  • Cimg2555
  • Cimg2525_20190908185101
  • Cimg2549
  • Cimg2550
  • Cimg2551
  • Cimg2552
  • P9070369
  • P9070371
  • P9070372
  • P9070378