書籍・雑誌

2020年6月 1日 (月)

アサヒカメラ休刊!

先月の月刊カメラマン休刊に続いて、ついに、現存する最古のカメラ雑誌アサヒカメラも休刊

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まだ報道されるだけ良いです。先月の月刊カメラマンに至ってはQ氏に教えてもらうまで気づきませんでしたから。

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これで残りは「日本カメラ」と「CAPA」だけになりました。

「写真工業」「カメラレビュー」いままで、心のよりどころにしていた情報源が次々と休刊していく。これは紙媒体の衰退というよりも、「写真がすでに趣味じゃなくなった」(かつてのラジオやオーディオがすでに趣味のツールじゃなくなったように)証明でしょう(すでに私も同じこと書いています)。コロナ禍はがけっぷちから背中を押しただけで、最後のきっかけに過ぎないと思う。「誰にも真似のできない事と誰にも同じくできる事は趣味になりえない。だから上手な冷蔵庫の使い方や上手な電子レンジの使い方は趣味になりえない。ゴルフやカメラなど、誰でもある程度はマネできるが上手になるのには相当な努力が必要なものでなければホビーになりえない」とはリコーの織間勇氏の名言ですが、ご自身が趣味だったアナログレコード時代の「針は絶対ダイヤモンド」「ターンテーブルは重ければ重いほど良い」「カートリッジは・・・」「アンプは・・・」とか言えた時代だからこそホビーとなりえたが、MP3どころかスマホ時代になりもはやハイファイだの音質だの誰も論じなくなった。パソコンも今どき演算速度やメモリ容量を自慢する人なんかいない。織間勇氏もデジカメも同様の道をたどるだろう。今更解像力だのコントラスト再現率だの、ローパスフィルターで必要以上の高解像度をカットした後で映像エンジンで後処理するようになると、論じるだけ無意味な時代が来ることを多分予見していたんでしょうね。

悔しいけど、私もここ5年くらいまともにカメラ雑誌購読していないし、正直Webの「デジカメWATCH」や個人のブログやサイトの方がよっぽど面白い。とはいえ、ブログやサイトを書く人はあくまでも素人(そうでない人は守秘義務があるからそう簡単に詳しい事を教えてくれないし、雑誌記者も当然取材で得た情報には守秘義務があり、メーカー側から「このことは書かないで下さいね!」とクギを刺せば決して口外しない)。我々素人にとっては肝心な部分はやっぱり過去の識者の文献に頼るしかない訳で、その文献引用が手段から消えてしまったことで、途方に暮れている自分がいます。とりあえず、過去30年間に溜め込んで、父が死去した時点で「片付けろ!」と言われて引き取ったカメラ雑誌のバックナンバー。今まで何度も古紙回収に出そうと思ってましたが、今回の件で覚悟が着きました。大事に取っておくことにします(置き場所ど~すんだ!?)

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2020年1月19日 (日)

執筆状況

そこでだ、冬コミ終了時に予告した次回作「レンズはどこまで明るくできるか?」ですが、本文は本日ほぼ書き上げました(早っ!)ええ、元々Drマスダの写真レンズ教室でいつか書こうと温めていた原案ですので。

まあ中川治平先生の著作2冊のこの2ページだけで、もう本のあらすじ全て説明しきっているんですが(ネタバレ。ヒントは「アッベの正弦条件」)..ちょっと困ったことが。

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いやあ、これがねぇ、小倉磐夫氏も中川治平氏も吉田正太郎氏も判で押したように「オランダ・オーデ・デルフトF0.7(上画像中央)が世界で一番明るいレンズ」と記していながら、

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同じ中川氏の別の著書「レンズ設計の論理」ではこんなのが堂々と紹介されているんですよ(前も書いたが)。いったいどっちが正しいのか?

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「プラナー50ミリF0.65」これは試作で発売されなかったのか?年号書いていないし...明らかに後述のプラナーF0.7とは構成図異なるし(似てはいるが)...

まあ確かに、F0.7クラスのレンズはアポロ計画や映画「バリー・リンドン」で使われたプラナー50ミリF0.7を例外として(参照↓)

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ほとんどがレントゲンの間接撮影用レンズなので面白くもへったくれも無かったです。私も診療放射線学科への入学を考えなかった訳でも無かったのでそこそこレントゲン撮影の知識はあります。

これが直接撮影(良く胸部レントゲン撮影で使われる)。日光写真みたいなものでレンズは使いません。肺の撮影はだいたいコレです。

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で、まこちん様を始め多くのレンズグルメ達を悩ます謎のレンズはこの間接撮影で使います。

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蛍光スクリーンとフィルムの間にあるでっかいレンズがそれです。フィルムの代わりにCCDカメラを使ったら動画も撮れるのでバリウム造影剤を飲んで胃の撮影をするときに使います。間接撮影では直接撮影よりもX線を強くしなければいけないので少しでも被曝量を減らすために明るいレンズが求められるんですね。納得しましたか?ちなみに蛍光スクリーンは鉛ガラスなのでX線自体がフィルムを感光させる心配はありません。

はい、これで使い道わかりましたね。超マクロでしか使えない理由も。

通常の撮影では使えないんだからあんまりおもしろくない本になりそうだな。で、佐藤さんのブログの感想「構成上、多群ズームの各構成を順番に追っている為広角、標準、望遠やカメラ用、ムービー用が入り乱れるのでやや読み手側に整理を要求するし、そもそも読み手側の想定スキルも相当に高いのだが、」には反省すべき点も多い(正直、こんな学術論文みたいな本誰が買うんだろう?と少々投げやりに執筆していたのは認める)ので、次回は「ズームレンズのあゆみ」の前半部分。ズームレンズの構成と分類の所をコミックス化してみようかと考えています。あさりよしとお先生の「まんがサイエンス」みたいな感じで。これなら初心者でも手に取ってくれるでしょうし、私も執筆しがいがあります。

2019年11月30日 (土)

率直に言って、買った本全て役に立った!

今日、仕事の帰りにコンビニで手にした本を読んで、胸が痛くなった(w)。

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これ、昨夜と今日の自分自身じゃないか(w)!!

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本当に、この年齢から、一から勉強勉強の毎日です。

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で、最近毎晩この夢見ます(爆)。惨敗...

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たぶんこうなる。きっとこうなる...

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んがですね!例のタンチョウの雛だけ本。まだ本番まで1か月もあるのに、先行調査で親しい方に見せたら本日付ですでに4冊売れました!!買って下さった方々皆さん「よくこんなの撮れましたねぇ!」と絶賛して下さるし、原価販売で良いですと言ったのに「これだけの写真撮るなら相当の元手がかかっているはずです!」と予定小売価格で皆さん払って下さいました。もう感謝感激&感動です。これで冬コミでの成功を確信しました!!

今回の「ズームレンズのあゆみ」本を執筆するにあたり、ズームレンズに関して素人が購入できる本を徹底的に読み漁りました(執筆時間1割に対し、資料本読む時間に9割かけています)が(参照1)(参照2)(参照3)(つか、その情熱を本業に向けろよ...)

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率直に言って、これらの本を買わないととても原稿なんて書けなかった。非常に役に立った!と今更ながら思います。確かに「やっぱりそうそう新しい情報は無いか」は事実なんですが、私のWebサイトでは書き漏らしていた情報や、「実はほとんどの人は知らなかったけどこれが世界初のレンズだったんだ!」みたいなトリビアが新しく買った文献に山のように含まれてました。ド素人の私が憶測で書いた話(例えばトキナー35-135ミリは基本は光学補正式ズームだったとか、サンDF85/135ミリはシャルル・フォッケンフーバーレンズと同じく実態は1群ズームだなど)中川治平氏の著書でもまったく同じこと書いていました。実は自分って15年も昔に凄いサイト作ってたのか?(ただ単に本読んでなかっただけだろ!)と自分自身を見直しましたです(w)。

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こちらも、本当に役に立ちました!!特に非球面レンズを最初に採用したズームレンズの記述は本当に助かりました!!

本日オンデマンドPさまから送られてきたゲラ原稿の1頁。

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本当に、こんな本買う人いるのか?心配になります。

2019年6月30日 (日)

10大宇宙クラブ続き

9位「イラン」2009年。

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オミード。これも当時アメリカが「戦略ミサイルだ!」と噛み付きました。米とイランの険悪な仲は今に始まった事じゃない(参照:まるで40年前に時計の針を戻したようだ...)

10位「北朝鮮」2012年。

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光明星2号・3号。一応軌道には乗った事が米NORADのレーダーで確認されましたが、何も電波を発していなかったようで「打ち上げ成功、運用失敗」のようです。国民を餓死させて置きながら人工衛星を打ち上げるというあたりにこの国のどうしようもなさが伺えます。

11位「韓国」STSAT-2。2013年。

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ちなみにウィキペディアではロシアから輸入したロケットなので「自力での打ち上げ」とは認めていない模様(w)。10番目に入れなかったことで韓国マスコミがすごく悔しがったというが、悔しがるよりも北朝鮮がそんなぶっそうな物持っていることに対する危機感とか無いんでしょうか?

そして昨年

12番目「ニュージーランド」2018年。

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キューブサット7機。今年の1月に内之浦から打ち上げられたイプシロン4号機の「革新的技術実証衛星」と同じコンセプトです。ホリエモン氏のMOMOロケットにしても北大永田春紀先生のCAMUIロケットにしろ、超小型キューブサットの打ち上げはすでに民間企業主導で行われている。この方も書いているとおり「人口が480万人というのは、北海道や北欧のデンマーク・ノルウェー・フィンランドとほぼ同じでありスウェーデンの半分ということだ。そんな国でも人工衛星を打ち上げられるだけのロケットを作れるということは、大抵の国で作れることを意味する。」今後、民間企業がどんどん衛星打ち上げビジネスに参入することで人工衛星の打ち上げ費用が下がる事は宇宙開発の発展のためにも良いことだと思います。まあイランや北朝鮮のように弾道ミサイル開発の隠れ蓑に使われるのはまっぴらですが。個人的は、次の13番目の国はインドネシアになるんじゃないかと予想しています。ブラジルの可能性もあるけど、

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過去に大惨事を起こしたし、どうかなぁ?

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さすが、糸川先生の時代に東大宇宙研からカッパロケットを大量購入して研究しただけ有って、日本のラムダロケットそっくりです。日本のJAXAも日本の技術で打ち上げるのは好意的に見ているようです。赤道直下の国ですので打ち上げの条件は日本よりはるかに恵まれている(内之浦から打ち上げるより燃料が少なくて済む)。50年前から観測用ロケットで実績のある固体燃料と、誘導装置がいらない重力ターン方式という日本が手取り足取り教えてきた「枯れた技術」ですのではるかに成功の確立は高いと思います。

私が生きている間に人類は月へいけるか?

今年はアポロ11号の月着陸から50周年ということで様々なイベントが開催されています。

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今まで金勘定と軍事しか興味がないと思っていた米トランプ大統領ですが、意外にも宇宙開発にも意欲を示し、ブッシュ息子大統領がオリオン計画としてして提案しながらもオバマ大統領が「んな金有るか!」と一度はキャンセルした有人月探査計画を再発動しました。私の予想通り、ISSのこうのとりの実績から(参照。←自国で補給できなくなって日本に無理言って荷物運びを押し付けておきながらこのドヤ顔は何なんだろう?)、無人の補給物資輸送は日本のJAXAに任される事に。これはアニメの「宇宙兄弟」のように日本人宇宙飛行士が月面に立つ日も近いことを意味しています。

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アメリカも「日本に液体燃料ロケットの技術を教えて良かった!」と思っているでしょう。実はG7と呼ばれる国でも自力で人工衛星を打ち上げられる国はそう多くは無い(と言うか米国と日本しかいない)。V2ロケットを開発した元祖のドイツは戦後はロケット開発を禁止されたし、イタリアはアメリカから買ったスカウトロケットを打ち上げてはいたけどそれもESAの活動が軌道に乗ったら辞めちゃったし、フランスも打ち上げ設備をESAに移管してからは自国だけでの打ち上げはしていない。イギリスにいたってはたった1回人工衛星を打ち上げただけでその技術を破棄してしまった(後述)。カナダも自国でのロケット打ち上げを諦めた国だ(過去には爆撃機の開発もアメリカに邪魔されて中止している)。詳細は新刊2冊

参照。

「10大宇宙クラブ」という言葉があるらしい。何だ?ISECG(国際宇宙探査共働グループ)のことか?と思ったらそんな正式な名称ではなく、まだ人工衛星を打ち上げていない国が嫉妬やっかみと羨望を含めて名づけたらしい。ちなみに、10大宇宙クラブの衛星打ち上げ順位は..

1位「ソ連」1957年

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スプートニク1号(下は2号)

2位「アメリカ」1958年。

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エクスプローラー1号。ヴァン・アレン帯発見という科学史に残る成果を挙げました。

3位「フランス」1965年。

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A1アステリックス。豪快な打ち上げシーンですね。

4位が何と我が「日本」1970年。

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おおすみ。当時世界最小の打ち上げロケットでした。低予算で良くぞ頑張った東大宇宙研!

5位「中国」1970年。

 

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東方紅1号。日本のわずか2ヶ月遅れ。タッチの差でした..しかし衛星の大きさ、機能共に完全におおすみは負けています。おおすみはビーコン波を出すだけでしたが東方紅1号はその名称の通り中国の国歌を衛星軌道から流しました。宇宙デビューは日本と中国は同期ですが、すでに技術的には大きく引き離されています。

6位「イギリス」1971年。

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X3プロスペロ。

名前からわかるとおり、2回失敗した上で3度目の成功です。しかし予算不足を理由に(実はアメリカの圧力で)これ1回でイギリスは人工衛星打ち上げをやめてしまいました。これが最後の打ち上げとわかっていながら挑んだ現場の技術者の屈辱はいかほどだったでしょうか?

7位「インド」1980年。

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ロヒニ1。

ロヒニとはインド神話の月の神の奥様の名前。日本の月探査機セレーネ(かぐや)に通じるところが有ります。実家に有った平凡社の「国民百科辞典」で的川泰宣先生は1976年の時点で「イギリスの次に人工衛星を打ち上げるのはインドだろう」と予言していました。実際にその通りになりました。今やインドは中国、日本と並ぶアジア3大宇宙大国です。

8位「イスラエル」1988年。

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オフェク1。

イスラエルは東側が内陸になっているので、人工衛星打ち上げには不利ながらも地中海がある西側に打ち上げなければならず、地球の自転方向に逆らう逆行軌道しか選べないため、打ち上げてもすぐに落っこちてしまう宿命を負っています。それでも打ち上げを強行するのはアラブ周囲国に対する威圧もあるのでしょう。画像10枚貼ってしまったので後は次回(→10大宇宙クラブ続き )

2019年6月14日 (金)

東山魁夷ブーム

何か、北海道立近代美術館の東山魁夷展や東山魁夷氏の特別番組が放送されるのを見て、「何か?今は東山魁夷ブームなのか?」とか今更気づいた自分は大バカですな。今年は東山魁夷氏没後20周年です。

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これも父の遺品。父の死後に物置から出てきたのを職場に寄贈しました。奥付は1978年ですので実は凄かった日本の宇宙開発 と同年ですね。今見ても、この頃の新聞社のグラフ誌って超コストかけてます!40年以上経った今読んでも面白いです!印刷技術も40年以上経った今の基準で見ても最高品質です。ネット時代の現在、出版業界の疲弊ぶりは言うに及びませんが、印刷媒体が「保存できる唯一のメディア」だった頃は、インテリ層だけではなく、一般市民も「知識を蓄え、政治家やマスコミの言いなりにならないように理論武装しよう!」と一生懸命、本を読んでいた良い時代だったんです。だって、ネットの情報って消去されたらそれで終わりだけど紙に印刷された書物は出版社側がどんなに消去しようと愛好者の手元には残るんです。「あんたは”そんなこと言った覚えは無い”って言ったけど、この本であんたはこういう事を書いているんだよ!」と問い詰める絶好の証拠になります。

印刷してしまったが最後、その証拠は半永久的に残る。だからこそ当時のブン屋さんは現在のブロガーやユーチューバーよりはるかに自分の発言に責任と覚悟が要求された。どっちが良いか悪いかは此処では論じませんが、後々、自分の首を絞めるようなことが無いように現代のブロガーさんやユーチューバーさんも言動には気をつけましょう。炎上した後で履歴を消しても、データ保存されたらいつまでもネチネチ攻撃されるんです。

話を元に戻しますが、東山魁夷氏の名前を覚えたのは高校の美術の教科書でした(遅いって!)。確かタンチョウの油絵だったと思う(タンチョウしか興味無いのか?)。

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ただし、東山魁夷と聞いただけですぐにこの水墨画を思い出したのは事実。高校時代の美術の教科書では「白馬シリーズ」と銘打って、白馬をよくモチーフに選んでいたのを思い出しました。

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私も後年に、花鳥風月のなかで特に月、鳥、馬、森林をモチーフにしていたのは東山魁夷氏の作風にいくばくかの影響を受けたと自覚しています。

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この画集で一番感動したのは作品そのものより製作風景。えぇ~、本当にふすまの上に時下に描いていたんだ~。って一番右側の画像は高校美術の教科書でも見た覚えがある。ちなみに私、高校時代の美術の成績は「9」でした(えっへん)!なんで10じゃなかったかというと、美大を受験する生徒のために10は取っておかなければいけなかったから(w)。まぁ、私もそれ知っていたからむしろ光栄に思ってました。当時の美術の先生、私が医療職に進むのをすごく残念がっていたのを覚えている。

現在、うだつの上がらない医療職の末席にいる私ですが、満足しているわけでもないけど後悔は一切していません。「お金持ちになりたければ動物写真家にはなるな!」と岩合光昭氏が書いていたし(w)。

2019年5月 7日 (火)

届いた!

GW後半 で予告した「写真工業2007年12月号がもうはや届きました。

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期待通り、「このレンズのことは紹介したかった!」というレンズが載っていて注文した甲斐がありました。

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やっぱりニコンのヨンサンハチロク(左上)とキヤノン35-70ミリF2.8-3.5SSC(右上)はどのズームレンズの文献にも必ず出てきます。

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こちらにも出てきたシグマ21-35ミリ。このレンズもどのズームレンズの文献読んでもほぼ必ず登場しますね。

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ギャグやネタでは扱われていても、作例入りで大真面目に紹介されることはあまりない。フォクトレンダーズーマー。野村證券のリチャード・クー氏の肝いりの記事です。これはすごい。いやぁ。これは買って良かった。一気に情報源が増えました。今執筆中の「2群ズーム」かなり書き直す部分が出てきましたよ。

2019年5月 3日 (金)

GW後半

公約通り、冬コミデビュー目指して「ズームレンズのあゆみ」執筆中です。1日中座りっぱなしでケツが痛い、足が痺れる...

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パソコンばかりいじってないでわたしの相手しろ!クロ子ちゃんはご主人様の苦労も知らず..

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今回書庫から引っ張り出してきたお宝。頼みの綱の資料本の山です。まず資料本探しから始まり、ズームレンズがまだ海のものとも山のものとも知らずに執筆を始めた15年前から比べると、山のように手元に資料があるうえに15年間の予備知識の積み重ねが有るので、はるかに楽です。それでもこれだけ資料本があっても、まだ欲しい本が見つかり、今日もAMAZONで写真工業誌2007年12月号注文しました。わざわざ東京まで古書探しに行った15年前から比べると資料本探しも本当に楽になりました。

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改めて資料本読んだら、このレンズも中川治平先生の設計でした。シグマのレンズに中川先生の作品が多いですね。いやあ'80年代のズームレンズは面白いです。

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創世期のズームレンズを調べたら中川治平先生の本でも吉田正太郎先生の本でも出てくるツァイス・アゼロス4倍ー20倍望遠鏡。今はこんな資料も簡単にググったら出てくる。15年前よりはるかにネット環境は恵まれてます。

100年前は4倍ー20倍のズームモノキュラーはこんなに長かったし高価だったけど、21世紀現代の光学技術をもってすれば同程度の倍率(7倍ー21倍)のズームモノキュラーが

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たったの2.400円で買える。もう小学生がピクニックで持ち歩くお値段です。なんて素晴らしい時代なんでしょう(w)。

まだまだGWは3日も残っている。うう、完全に引きこもり中年だ..

とりあえず、ズームレンズ創世期編は書き終えました(全5ページ)。明日からは2群ズーム、3群ズーム、4群ズームの歴史と、歴史に名を残した名ズームレンズの紹介をしていきます。

2019年4月21日 (日)

新刊2冊

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4月に購入した新刊2冊をご紹介。

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「ロケットが来た」(鈴木翔遥著/文芸社/2017年)

1975年に打ち上げられた日本初の液体燃料ロケットNロケットと技術試験衛星きくの開発秘話と、当時の著者の青春ドラマです。おそらく著者の回顧録だとは思うのですが、フィクションの体裁を取っており登場人物や企業名は宇宙開発事業団とNHK以外は仮名になっています。

Nロケットは米マクドネル・ダグラス社のソア・デルタロケットの技術提供で現在では「肝心な部分はブラックボックスで何も教えてくれなかった」というマイナスの面ばかり語られていますが(詳細↓)

ロケット開発、七転び八起き(By的川先生)

1978年の宇宙本、第2報

実は凄かった日本の宇宙開発

この本を読むと、「いやぁ、これはアメリカから技術導入しなかったら、どうにもならなかったわ!」と思います。確かに作中でも「ターボポンプは触らせてくれない」とありましたが、機密ではない部分、配管やノズルやタンクについてはアメリカの技術者は手取り足取り親切丁寧に教えてくれたし(まあお客様ですから)、その機密ではない部分でさえも当時の日本の技術では手も足も出なかったのは事実。

当時、日本政府は1970年までに技術試験衛星を静止軌道に乗せる事をNASDAに要求していましたが、「カネもヒトも時間も技術も足りない。絶対に無理だと思った!」とNHKコズミックフロントで答えています。その一方、気象衛星を欲しがる気象庁や放送衛星を欲しがるNHKや通信衛星を欲しがるKDDや電電公社(現NTT)などユーザーからは「一刻も早く衛星を打ち上げてくれ!」と矢の催促(実際に技術試験衛星きく2号を静止軌道に乗せたのは7年遅れの1977年)。これ以上ユーザーを待たせたら日本の宇宙開発そのものが打ち切りになり、イギリスのように人工衛星を打ち上げておきながらも、放棄し衛星打ち上げを外注する国になってしまう(参考資料↓イギリス最初で最後の人工衛星「プロスペロ」打ち上げロケット、ブラックアロー。1971年10月28日打ち上げ)。

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(引用文献:1978年の宇宙本、第2報

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(引用文献:実は凄かった日本の宇宙開発 ) え?何で炎が無いの?UFO?と小学1年生の時この写真見て驚きました。酸化剤に液体酸素じゃなく過酸化水素を用いていたので噴煙が出なかったそうです。

「これが失敗したら日本の航空宇宙産業は終わりだ。」という崖っぷち感は現在の国産ジェット旅客機MRーJの立場に似ていますね。作中でもYS-11の設計者がNロケット開発に参加してるのはそれを匂わせているのかな?。

ブラックボックスには厳しかったアメリカ側ですが、技術導入にはとても熱心で、休日にアメリカの技術者の家に招かれて交流するエピソードとかは心温まる場面です。国と国との思惑とは別に、ロケットを愛する技術者たちの友情と情熱には国境は無いと思いました。

糸川先生率いる東大宇宙研(ISAS)はアメリカからの技術導入には反対の立場で、「ISASも液体燃料ロケットの基礎実験はしている。うちの研究データを渡すからアメリカからの技術導入はやめてくれと」いう立場だった(それで糸川先生はアメリカから睨まれ辞任に追い込まれた)んですが、NASDAも嬉々としてアメリカの技術導入を受けた訳ではなく苦汁の選択だったのがわかります。秋葉鐐二郎氏のインタビューでも糸川先生率いるISASが内之浦から人工衛星を打ち上げようとするとアメリカの軍事顧問団が視察に来るようになったと回想しています。

>アメリカは国際関係のバランスから言って日本がこのようなロケット技術を持つことに、まあよしとしていたと思います。欧州ではそうはいかなく、どんどんその芽を摘み取られていたのですよ。この差はえらい違いですね(引用)。

遠まわしにイギリスが独自の衛星打ち上げを放棄せざるを得なかったのはアメリカの圧力だったことを示唆してます。イギリスは戦勝国の恩恵で国連の常任理事国になれましたけど、戦後のイギリスの航空宇宙産業や自動車産業の斜陽化を見ると、第2次世界大戦最大の敗者はイギリス・オランダだったんじゃないかと思う。日本・ドイツは戦争には負けたけど「経済封鎖は止めてくれ!ちゃんと料金は払うんだから自由貿易を認めてくれ!」「東南アジアの植民地支配は止めてくれ!」という日本の言い分は通ったんですから。

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NHKプロジェクトXより。五代富文氏もNHKのインタビューで「技術導入は好かない訳ですよ。」と本意では無かったことを認めています。

アメリカは当時でもすでに自動車を始め日本との膨大な貿易赤字に頭を抱えていましたし、日本人の国民世論でも弾道ミサイル開発の意思は無いとはわかっていても(現在の某国の将軍様とは違って)、お人よしのISASがユーゴスラビアに輸出したカッパロケットの生産設備は、すっかりミサイル製造に転用され東側に流れてしまい、「これ以上日本にロケットの独自開発をさせたら危険だ。アメリカの監視下に置かなければ」という危機意識もあったんです。

このNロケットの経験が有ってこその現在のH-2AロケットとH-2Bロケットの成功があるんです。むしろ技術導入のおかげで近道になったとアメリカには感謝する必要もあると考えます。イギリスみたいに完膚なまでにロケットの独自開発を中止に追い込みはされなかった訳ですし。

 

そして、もう一冊。冬コミデビュー目指して光学本を買いあさっています。

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しっかり学べる光学設計の基礎知識(牛山善太著/日刊工業出版社/2017年)

ズームレンズの設計法はほとんど書かれていないので、直接引用できる資料ではない(そもそも数式中心の本なので私には歯が立たないw)ですが、収差やパワー配分とか、ズームレンズを語るに欠かせない基礎理論を調べるため購入しました。

この本読んで安心したのがこれ

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以前、私のサイトに対して「増田さんは凸凹張り合わせの色消しレンズのことをダブレットと呼んでいますが、それはダブルメニスカスであってダブレットとは絞りを挟んで前後に同じ形状の凸レンズを対称型に配する構成の事を言うんじゃないですか?」という突っ込みの書き込みがあったので?「え?そうなんですか?中川治平先生の著書(参照:« 資料本購入 )では色消しレンズの事を中川先生はダブレットと呼称していますよ?」と返答して沙汰止みになった経験があったんですが、この本でも色消しレンズのことをダブレットとちゃんと呼称している。良かった~!やっぱり正しいじゃん!自分!(調子に乗るな)!

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反論するときはエビデンス(根拠)を明記せよ!学生時代からの教訓です。この本買って良かった~

2019年3月31日 (日)

資料本購入

冬コミデビューを目指して現在資料本を読み漁っています(詳細;ヲタクの聖地 )。
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左の「図解雑学レンズのしくみ」が面白かったので中川治平先生の本を2冊買いました。中川先生は1970年代前半、オリンパスOMシリーズ初期のズイコーレンズを一手に設計されていた方です。ズイコー200ミリF5とか何か中途半端なF値のレンズが妙に多いのはきっと中川先生の設計哲学だと思ふ(w)。オリンパス退職後はフリーのレンズ設計者として活躍しました。本人は自分では言っていませんがシグマ21-35ミリF3.5-4(画像左上)は中川先生の独立後の作品らしいです。

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確かに中川先生の著書には必ずこのレンズ紹介されている(w)。CAPAの馬場信幸氏も経済学者のリチャード・クーさんもこのレンズ絶賛されてます。私の亡き父もミノルタMDマウントとコンタックスAEマウントでこのレンズ2本も持っていた。どんだけ好きだったんでしょうね~。

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「図解雑学」で中川先生、「2群ズームのFD35-70ミリ発売以前のキヤノンでは4群ズームで何度も広角化に挑んでは失敗していたらしい」と書いていましたが、それが事実だったと証明する設計例も載ってました。キヤノンニューFD35-105ミリF3.5。ニコンやミノルタでも達成できなかった(参照:やばいよ~絶対この人ウチのサイト読んでるよ~ 4群ズームで広角35ミリをキヤノンはやってのけた!これはすごい!!ただ、本の中でもかなり設計に無理があったのは認めていて「歪曲やフィルター径が大きくなるなどの問題点が克服しきれていない。設計する側には妥協が必要である」と書いていますね。

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ズームレンズの歴史は、やっぱりそうそう新しい情報は無いか。上はバリオグラオカーとベルハウエル・クックバーローレンズで下はトランスフォカトール。ズームレンズの文献読んだら必ず出てくるレンズです。まあ、それだけ15年前にわたしが書いたWebサイトの内容が正しかったという事なんですけど。

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おなじみの4群ズームの概念的説明。わたしのサイトを読んだ方なら先刻承知ですよね。

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ズームじゃないけど面白かったので載せます。スタンリー・キューブリック監督が映画「バリーリンドン」で使ったプラナー50ミリF0.7は有名(知らない人はググって調べてくれ)ですが、ツァイスはそれにも満足せずF0.65っちゅ~のも設計しているんですね!!アッベの正弦条件によると写真レンズの明るさの限界はF0.5。アッベの正弦条件に肉薄してます!いったい何に使ったんでしょうね?このレンズ。レンズ後玉の直後にフィルムがあるから絶対一眼レフには使えません(汗)。

さぁ~て!良い資料本も手に入ったし!冬コミデビュー目指して執筆するぞ~!

最近の写真

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